配偶者さんたらね

言葉は所詮言葉なのか、それとも言葉は言霊であり影響力を持っているのか。


 肩書きも名前も忘れたが、五十代のおえらい男性が、自分の妻のことを「配偶者さん」と呼んでいるのをテレビで見た。
 ほほう、と思った。
 最近、夫の呼び方についての意見を各所で目にする。主人や旦那という言葉から連想される主従関係が嫌なので、「夫(さらにこだわる人はパートナー)」と呼ぶのだという発言群である。わたしもいざ妻の立場に立ってみたら、わー、なんか主人って変、なんか呼べないと驚いたものだった。恥ずかしさと嫌悪が入り交じった感情だ。そこへ耳にした「配偶者さん」。
 固い単語に可愛く「さん」付け。そこはかとなく漂うこっけい感が、なんともラブリーである。
 使えない場面も多いだろうが、使えるときは積極的に使ってみよう。女性の自立がどうの差別がどうのというより、面白いから使うというあまのじゃくさだが良いではないか。
 冒頭のおえらい男性は、「今は、妻とか奥さんとか言ったら駄目だそうですよ。嫁や家内なんて呼び方はもってのほかで」と説明していた。ウーマンリブの活動家から叱責を受けるのだろうか。そういったことを言葉狩りと揶揄する人もいるだろうけど、わたしは面白いと思う。この先どうなるのだろう。言葉は所詮言葉なのか、それとも言葉は言霊であり影響力を持っているのか。
 現代日本の井戸端主婦社会では、自分の夫を「わたしの夫が……」と言うと生意気だとイジメられることもあるらしい。年配の女性ほど「主人」という呼び方に誇りを持ち、「主人と呼んでも、実際はわたしが尻に敷いているからいいの」と言う。論点のズレに気付いていない。多くの井戸端主婦社会では未だに、男を立てて女は一歩下がって、なのである。
 はたして「配偶者さん」が市民権を得る日は来るだろうか。
 女性たちがあちこちで「うちの配偶者さんたらねー」「あらうちの配偶者さんもねー」って、ああ、なんというほのぼの!

10 Responses to “配偶者さんたらね”

  1. トミタ Says:

    「あの人」という言い方をよくします。
    「『あの人』って…」みたいなリアクションをたまに取られますが、自分はしっくりきます。
    あと「嫁」というのもよく使います。
    もってのほかです、田嶋某さんに火あぶりにされる日も近いかと思われます。
    将来的に使いたいと思うのは「細君」です、なんかダンディです。

  2. たかこ Says:

    嫁はもってのほかだろうけど、
    呼ばれて嫌な気はしないのが不思議だな。
    なんだか愛を感じないか。
    あの人、という不思議な距離の置き方もいい。

    細君、と呼んでいる人を実際に見たことがないのでぜひ!

    火あぶりになる日には、見学させてください。

  3. Optimica.org Says:

    配偶者をなんと呼ぶ?

    プライドがないのか、アホなのか。 自分の配偶者のことを人に話す時に「だんな様」と…

  4. mica(みゅ) Says:

    にゅーぶろぐのほうからTBさせてもらったとです。

  5. たかこ Says:

    ぬぉ!こんなブログがあったとは・・・
    なんだか痛快な感じでいいね!

  6. かが Says:

    私の場合は、「家内」か「連れ合い」ですね。家内は「主人」と呼んでいるみたいですが、主従関係は意識していないと思います。というのも、字で書けば、「主人」となりますが、話し言葉では「シュジン」ですから、自分が「下」といった縦の関係では思っていないでしょう。

    それに、呼び方や名称は時代とともに、その本来の意味をなくしていくものですから、私は目くじらを立てるほどのものとは思っていません。

    もともと名称や呼び名は、第三者にとって意味があるものであって、当事者にはそれほど意味がないでしょう。

    まあ、第三者に意味が分かれば、どんな呼び方でもいいのではないかと私は思っています。だいいち、日本語が乱れに乱れている現在、それを放置している方が問題のように思うのですが。

  7. たかこ Says:

    そうなんですよね。
    特に言葉の本来の意味まで考えて、言葉を使っているわけではないんですよね。
    そんなこと言ってたら使えない言葉がたくさん出てきて困ってしまうし。

    しかし、わたしの年代あたり前後?からは、当事者が「その呼び方はちょっとなー」と思っているのも事実。
    今後どう変わって行くかは興味深いです。

    日本語の乱れについては、表現力が無くなっていくのがさみしいと思ってます。
    なんでも「微妙」とか、「やばい」とかですませてしまう風潮が嫌いだー。
    知人には語彙が少なくなっていくことを肯定的に見ている人もいるのですが、わたしはいやだー。

  8. hyahya Says:

    突然ですが、お邪魔します。
    我が家の猫に目薬をさそうと奮闘中で「猫 目薬」で検索したら、こちらにたどりつきました・・・

    「配偶者さん」ですか。思いつきませんでした。
    結婚して6年たちますが、いまだに相手のことを第3者の前で話す時の呼称に困っています。
    普段は「相方(くん)」を使っていますが、少しフォーマルな場(相手)の場合は、いまひとつです。

  9. たかこ Says:

    はじめましてーーー。
    猫さんに目薬、成功しましたか?
    難しいですよね!

    「相方くん」ですかー。なるほど。やや可愛い感じでいいですね!
    確かにフォーマルな場は困りますよねー。
    仕事関係で会う人には、名字呼び捨てで言うことが多いです。(感覚的には、社内の人間に敬称をつけないような感覚)

  10. Optimica.org Says:

    配偶者をなんと呼ぶ?

    プライドがないのか、アホなのか。 自分の配偶者のことを人に話す時に「だんな様」と…

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