拝啓 野菜ジュース様

料理は下手だが、語ることはできる 第13回(2005年5月24日)


 その青臭くドロドロとした飲み物は案外においしく、「うま~い!もう一杯」であった。モロヘイヤとセロリとほうれん草とリンゴ酢が入った自家製青汁である。見た目や匂いの恐ろしさと裏腹の爽やかテイストなのだ。
 先日、仕事の関係で色々な野菜ジュースを作った。青汁の他にも、パプリカとトマトが主役の美肌ドリンクや、グレープフルーツと人参のダイエットドリンクなどなど。そんなわけで、現在うちの冷蔵庫は野菜と果物の溢れたヘルシー冷蔵庫となっていて、眺めると思わず笑みが浮かぶ。
 わたしは野菜が好きではない。嫌いでもないが、お昼はサラダだけで済ませましょうホホホと言えるほどの満足感を野菜相手に覚えることができない。モロヘイヤなんか生まれて初めての購入であり、ジュースにする以外、調理法を知らない。そんなわたしが、「うま~い!もう一杯」なのだ。言うほどうまくもないわけだが、野菜ジュースの「健康っぽさ」にメロメロなのである。
 市販の冷凍青汁や粉末青汁も試したが、自家製のものが一番飲みやすかった。おそらく市販のものは栄養価を高めたいあまりに、濃縮しすぎたのだ。そしてリンゴが入っていない。これがいかん。知恵をもたらすのにも、医者が要らないほどの健康にも、リンゴが不可欠。人類にも青汁にも不可欠なのだ。その証拠にほとんどの野菜ジュースはリンゴを加えるだけでおいしく仕上がった。呼び捨てはよくない。リンゴ様である。リンゴ様も良いが、リンゴ酢も素敵だ。野菜ジュースに入れると爽やかになり、牛乳に混ぜたらゆるいヨーグルト状の満腹感の高いものができる。リンゴ酢様だ。
 素敵なものにはどんどん敬称をつけよう。世の中で尊敬に値しないものはとても少ない。わたしだって時折、「ほり様、ほり様」と呼ばれる。大抵は何か頼みごとがあるときだ。どんとこい。

コメントする