野良猫は、みいと鳴く

近所の野良猫の話です。(01.02.09)


近所のコンビニへ行くと、足元から、みい、みいと声が聞こえる。
野良猫だ。
しかも二匹。愛らしい茶トラ親子である。
コンビニへ出入りする客は、彼らにとっても「客」らしい。車のエンジンを切り、ドアを開けた瞬間に、鳴きながら走り寄って来る。
野良猫と言えば、鳴きすぎて枯れた声や低いだみ声、あるいは、目の上の傷などを思い出す人が多いかもしれない。
しかし彼らは違う。
愛らしいのだ。子猫はもちろん、親の方まで小首をかしげ、みい、と鳴く。可愛らしさに、人間たちはもう卒倒寸前なのである。
たとえ、「食べ物出せや、このハゲ」の意だとしても、人間には「おなかちゅいたニャア・・・」に聞こえる魔法ボイスと魔法ルックス。
進化だ。
大きな声で、存在を主張するのではなく、小さく、可愛らしく、守られる側であろうとする根性。そして、近寄っては来るけれど、けして足に纏わりついたりしない、防衛本能もある(たぶん、強く蹴られたことがあるんだろう)。
やはり、こうでないと現代の野良猫は生きていけないのだ。野生に生きる小動物も少なく、ごみ出し日もカッチリ決まってるし、ごみ捨て場には柵がめぐらされてたりするのだから。
人間界も不況だけど、猫界も受難の時代なのだなあ。

彼らに、ほか弁のから揚げをあげたことがある。あまりの可愛さに自分の食べる分なんてどうでも良かった。
しかし猫に劣らず私も生活苦の時が多いのだ。
はたしてから揚げがもらえるくらいの愛らしい仕草を、マスターできる日は来るのだろうか。

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