2004年 10月

せなか

何かつぶやいて彼は空を仰ぐ
目を細める

空は気が遠くなるくらい

青くって高いところにある

大丈夫

やがて扉を開ける

歩き出せたなら、大丈夫

私は信じて背中を押した

彼のつぶやいた言葉、知りたかった

彼は何度も振り返って手を振る

やり方

手段がいくつもあって、
結果はもっと無数にあった

私はそのうちの最善を選んだ

近道を進んだわけではない

否定のことばをいっさいやめて

心の見えない部分にすべてを託した

住宅街

私は道路に立っていた
目の前の建て売り住宅

垣根の隙間に大きな窓が見える

薄いカーテンから灯がこぼれる

灯とともに暖かい何かこぼれる

夜11時の住宅街

人も車もない

私は道路に立ち

他には何もしていない