ゆっくり。何度も。
[ 1-1. 日記 ]
哀しい言葉があったなら消してしまえばいいのかな。上書きされて、それは消えたのかな。本当のことはどこにあるのだろう。1本のラインの前で立ち止まる。見渡しても何もない。道を知る人もない。
わたしはあらゆることを想像し、だけど何の覚悟もなかった。
すべて笑い話にすることもできた。そのタイミングもあった。そうしたくなかったから、しなかった。
半分が哀しみで覆われている出来事だとしても。ああ、そうだ。その哀しみの大きなひとつだけは覚悟していた。
だからただ忘れないように、覚えておくために。