毎日、一歩ずつ。
[ 1-1. 日記 ]
毎日、一歩ずつ、きみを離れています。
ようやくまともに、元気なふりができるようになりました。
それでも、人と会うと、ちょっとしたやさしさが心にしみてしまうので、すぐに泣きそうになります。泣かないのだけど、声が震えることはあります。目をふせて、奥歯を噛みしめるようにすると、涙は止まるようです。
あとは笑っていられます。わたしは強がるのが得意です。
久しぶりに、口には出さずに、名前を呼びました。
名前は・・・困るね。この切なさを、わたしは何かに転化しなければならないんだろうね。
たとえば、状況が一片も変わらないままなら、もしきみが戻ってきても、わたしは NO と言うでしょう。
わたしはたぶん、人からもらった言葉を大事にとっておくくせがあるんだと思います。苦しい言葉は呪いのようになって、いろんなものを縛ります。
なんだか、ここ数日、きみがわたしを離れたのではなくて、わたしがきみを突き放したような気がしています。
ダメなところも好きだったけれど、許せないところもあったんです。
わたしが、どうしてもきみより早く元気になりたいというのは、復讐の意味もあるのだと思います。
一歩ずつ、声も届かないくらい遠くに。