似てる

物音、足音、振り返る

自転車の音、鍵の音、振り返る

振り返る

振り返らなくなる

壊れてく

夜の終わり

部屋の電気は点けてない

膝の上眠る猫を撫でる

ぴんと伸びたヒゲを触る

不満そうに鳴いて猫は去る

私はキーボードの上で眠る

すべてのすべての明かりが消える

朝のすこうし前の時間

もっと

もっと普通ならば良かった

目立たずに、目立たずに

平凡に、少しだけ幸せに

それでなかったら

もっと特別になりたい

世界中に知られるくらい

あなたとも、あなたとも、あなたとも

違う人間だと証明したい

ごみ箱

全部捨てる

仕事も親も友人も恋人も猫も部屋も

全部

そして拾いに行く

涙は誰にも見せてない

唄う

誰もいない部屋で唄う

声は何にも吸い込まれず響く

響いて

誰にも届かないまま

宙に消えてく